親の会社を相続放棄することはできるか
1 親の会社の株式や持ち分の相続放棄は可能
親が株式会社や合同会社などを経営し、株式や持ち分を保有していた場合、相続の対象となるのは会社の財産ではなく、その会社の株式や持ち分です。
これらは相続財産に含まれるものとされるため、家庭裁判所で相続放棄をすることで、株式や持ち分を一切取得しないことが可能です。
相続放棄によって会社の株式や持ち分を取得しない場合、会社の経営権(議決権)や配当を受け取る権利は得られなくなりますが、会社に関連する債務や責任を負わないことにもつながります。
特に、債務超過に陥っている会社を引き継ぐリスクや、被相続人が会社の連帯保証人となっている場合の保証債務の負担を避けたい場合には、相続放棄は有効な手段であるといえます。
2 相続放棄の法的な効果
相続放棄をすると、法律上は最初から相続人ではなかったものとみなされます。
これにより、会社の株式や持ち分はもちろん、不動産や預貯金などプラスの財産を取得することはできなくなりますが、借金などマイナスの負債を引き継がないで済みます。
注意すべき点としては、部分的な放棄は認められていないということが挙げられます。
会社の株式や持ち分、連帯債務だけを放棄し、他の財産は相続するということはできません。
また、相続放棄には、相続の開始を知った日から3か月以内という非常に短い期限が設けられているため、会社の財務状況や債務の有無を早めに調査することも大切です。
3 相続放棄後の会社の扱い
相続放棄をした場合、被相続人の会社の株式や持ち分は、同順位の相続人がいる場合には法定相続分が同人らに移り、同順位の相続人がいない場合には次順位の相続人へ移ります。
例えば、配偶者がいない状態で子が相続放棄をすれば、直系尊属や兄弟姉妹のみが相続人となり、その人が株式や持ち分を得て会社の経営権を実質的に承継することになります。
次順位の相続人も相続放棄をした場合、最終的には株式や持ち分は相続財産清算人による管理、処分をせざるを得ません。
会社そのものは法人として存続しますが、相続人不存在の状態では議決権の行使等ができないため、会社運営に影響が及ぶ可能性があります。
親の会社の相続を放棄する場合、会社の経営に対する影響も考慮する必要がありますので、相続放棄をご検討の際には、できるだけ早く専門家に相談することをおすすめします。
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