養子でも相続放棄が必要か
1 結論としては養子でも相続放棄が必要です
養子であっても、法律上は被相続人(養親)が亡くなった場合、相続人になります。
そのため、養親に多額の借金や負債がある場合など、相続によって権利義務が承継されることを回避したいのであれば、実子と同様に相続放棄の手続きが必要です。
養子だから相続の対象にならないのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、養子縁組が成立すると、基本的に実子と同じ相続権を持ちます。
負債の相続についても同様であるため、相続放棄をしないと自動的に相続を承認したことになり、被相続人の借金を返済する義務を負ってしまう可能性があります。
2 養子の法的地位について
民法上、養子縁組が成立すると、養子は養親の実子と同じ法的地位を得ます(民法第727条)。
【参考条文】
(縁組による親族関係の発生)
第七百二十七条 養子と養親及びその血族との間においては、養子縁組の日から、血族間におけるのと同一の親族関係を生ずる。
参考リンク:e-Gov法令検索(民法)・縁組による親族関係の発生
これにより、相続に関しても実子と同じ順位で権利を持つことになりますので、養親がお亡くなりになられた際には財産だけでなく負債も承継します。
また、普通養子縁組の場合、養子は養親側と実親側の両方で相続権を持つことがあります。
このため、養子になった方は複数の相続に関わる可能性があり、実親や養親の状況によっては、都度相続放棄の要否を検討しなければなりません。
3 養子が相続放棄する方法
養子が相続放棄をする場合の手続きは、基本的に実子と同じです。
前提として、相続の開始を知った日から3か月以内に、相続放棄をしなければなりません。
具体的には、管轄の家庭裁判所に対して、相続放棄申述書と、戸籍謄本、被相続人の住民票除票または戸籍の附票を提出します。
期限を過ぎてしまうと、原則として相続放棄をすることはできなくなってしまい、借金を含むすべての相続財産を承継する単純承認となる点に注意が必要です。
また、養子が未成年の場合は、親権者などの法定代理人が手続きを行うことになりますが、法定代理人と利益が相反する場合(法定代理人も相続人である場合など)は特別代理人の選任が必要になることがあります。
法定代理人も相続放棄をする場合は、通常は特別代理人の選任は不要です。
相続放棄は、手続き自体は比較的簡易なものではありますが、期限が非常に短く、かつ失敗してしまうと基本的に取り返しがつかないものですので、ご検討の際にはできるだけ早く専門家に相談することをおすすめします。
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